借金返済の一本化について

数社から借入がある多重債務に陥り、その返済が複数にわたり大変な方。その様な方を対象に各消費者金融業者は、おまとめローンや借金の1本化を進める動きがあります。ではこの一本化というものはどういったものか?という事について、お話し致します。

○一本化出来る借入件数や金額はどのくらいまでか?

一本化が出来るといっても、どんな状態でも一本化出来るとは限りません。一本化出来る借入件数や金額の上限は、債務者の収入にも左右される点がありますが、せいぜい2、3社100〜150万円程度までだと考えられます。なぜなら、一本化する大前提に、その人に返済能力があるかないかという審査があります。多重債務に陥っている人は、大抵の場合、1社から借入し、他社へ返済するといったいわば自転車操業に陥っている傾向にある方が多いです。

また、その様な状態になくても、返済してはいるが債務状況が減っていないという状況の方は、恐らく一本化することは難しいでしょう。なぜなら、この様な状態の方は、自転車操業に陥っていて、返済する能力がないと判断されてしまうからです。

○実は通りにくい一本化の審査

各消費者が大々的に進めているおまとめローン(1本化)は、大々的に広告しているにも関わらず、その審査基準は非常に厳しいと言えます。それは前述の通り、自転車操業に陥っていると判断される事が多いからです。消費者金融は、無担保ローン(いわゆる信用貸付)での契約になりますので、一番の審査基準は、その債務者の「信用」がすべてです。その他、担保となる様なもので保証される訳ではありません。その「信用」が多重債務による自転車操業状態の様な形であれば、当然信用に値しないという判断にしかなりません。

○運よく一本化出来ても実は損する。

運よく一本化出来たとしましょう。一本化出来た場合、あなたの債務はどうなるでしょうか?仮にA社に50万円借入があったとします。利息は20%とします。この場合、利息相当分は10万円。つまり、60万円A社には返済する必要があります。そしてB社。B社にも同様50万円借入があったとします。利息は20%とした場合、同じく60万円をB社に返済する必要があります。これ以上の借入を止め、両社に1.5万円ずつ、合計3万円を返済していく仮定しましょう。1社当たり1.5万円のうち、大体0.5万円は利息分となります。つまり、両社とも1万円ずつが元金として返済金に充てられるとして、約60ヶ月。5年必要です。(厳密にはこれよりも多少早い期間で終わります。)

これを、例えばまとめるローンでまとめると、120万円分を1本化する事になります。そして、今度は一本化出来た消費者金融へ、120万円+利息(18%とします)を返済していきます。返済金額を仮に3万円と仮定しましょう。返済する総額は120万円+21.6万円の計141.6万円。3万円のうち、大体1.5万円程度が利息となります。

1.5万円が元本として返済金に充てられるとして、約94ヶ月。約7.8年必要です(厳密にはこれよりも多少早い期間で終わります。)ここで、現在の状態で返済していく金額と、おまとめローンで返済していく金額の利息分だけに注目してみます。すると、現在の状態で返済していった時の利息は(0.5+0.5)×60=60万円に対し、おまとめローンで返済していった時の利息は1.5×94=141万円となり、倍以上の支払いが必要という計算になります。

単純に計算を行った結果のみですが、この様におまとめローンを実施すると、返済が1つになり楽になるというメリットはありますが、それ以上に現状よりも利息分が倍以上に増えてしまうという事にもなりかねません。ですので、おまとめローンは必ずしも借入に対する得策という訳ではなく、むしろ金額的にはより多くの返済を生み出すという事になるのです。この事を十分理解し、借り換えを検討するべきと言えます。

○消費者金融への申し込みは1ヶ月3社まで

少し話題は変わりますが、おまとめローンでも、通常の消費者金融でも審査が通らないからと言って、次々と申し込みを行ったりはしていないでしょうか?実はこれは、審査通過に対して非常に不利に働きます。実は消費者金融は基本的にどの業者も同じ情報機関からあなた自身の個人情報を確認しています。

そのため、申し込みを行う先の消費者金融は、その前に申請された消費者金融の情報も確認しているのです。あなたが1社目の申請で審査に通過しなかったとしましょう。そして、2社目の申請を行ったとします。この時、2社目はあなたがこれまでにどこの業者に申請をしたかという事が分かっています。

その上で、自社規制に照らし合わせてあなたの審査を行います。2社目は当然、1社目が融資を断ったという事を確認すれば、あなたに何か信用の出来ない落ち度があったのだと見なします。こうなると、より審査は厳しくなります。そして、結果的に2社目が融資できないと回答してきた場合、次は3社目に申請をします。これまでの流れの通り、3社目も審査は厳しくなり、結果的に融資不可となる可能性は高いです。

この様に、複数の申請先より断られる状態を俗に「申し込みブラック」と言います。要するに、2社目以降は1社目が断ったことを理由に、2社目、3社目も融資を断る可能性は非常に高いのです。そして、1ヶ月3社を超えると、ほぼどの消費者金融でも融資は不可という判断になります。そのため、本当に融資を受けたいのであれば、少なくとも1ヶ月に3社以上は申し込みを行わず、しばらく経ってから申請するという手段を取る事が必要となります。